RDS PostgreSQLがDR用のクロスリージョンバックアップに対応したので東京-大阪リージョン間で試してみた
RDS PostgreSQLがスナップショット・トランザクションログを別リージョンに自動レプリケートできるようになりました。
災害対策(DR)が求められるミッションクリティカルなデータベースに対してこの機能を有効にすると、AWSリージョンの障害が発生しても、レプリケート先リージョンでデータベースを特定の日時と同じ状態で速やかに復旧することができます。
同等の機能は昨年末から Amazon RDS for Oracle 向けに提供されています。
[アップデート] RDS for Oracleでクロスリージョン自動バックアップがサポートされました #reinvent | DevelopersIO
今回のアップデートは、その Amazon RDS for PostgreSQL 対応です。
やってみた
この機能を東京-大阪リージョン間で実際にやってみます。
クロスリージョンレプリケートの有効化
クロスリージョンレプリケーションを有効化するには、「Automated Backups」メニューで、アクションから「Manage cross-Region replication」を選択します。
設定画面で、レプリケート先リージョンと保持期間を指定するだけです。
同期元リージョン(東京)の「Current Region」タブの「Replicated to」列にレプリケート先リージョン(大阪)を確認できます。
同期先リージョン(大阪)の「Replicated」タブでは、本来は「Source」列にレプリケート元リージョン(東京)を確認できるものと思われます。
スナップショットからのリストア
DR のためにスナップショットからリストアする場合、レプリケーション先リージョンで PITR と同じ操作を行います。
同期先リージョン(大阪)に移動し、「Automated Backups」メニューの「Replicated」タブで当該クラスターを選択し、アクションの「Restore point in time」を選択します。
あとは、通常のPITRと同じ操作でクラスターをリストアできます。
制限事項
対応DBエンジン
本機能は以下のDBエンジン・バージョンでのみ利用可能です。
- RDS PostgreSQL 9.6 以降
- RDS Oracle 12.1.0.2.v10 以降
特定のリージョン間でのみ利用可能
特定のリージョン間でのみレプリケート可能です。
- us-east-1(北部バージニア)↔us-west-2(オレゴン)
- eu-central-1(フランクフルト)↔eu-west-1(アイルランド)
- ap-northeast-1(東京)→ap-northeast-3(大阪)
また、東京-大阪間は双方向ではレプリケートできず、東京をソースとする場合のみ可能です。
最後に
Amazon RDS for PostgreSQL がクロスリージョン自動バックアップに対応し、DR に備えることができるようになりました。 スナップショットとトランザクションログがレプリケートされるため、RPO 面でもコスト面でも優れています。
Amazon Aurora Global Database のストレージベースのクロスリージョンレプリケーション機能の RDS 版とも言えます。
クロスリージョンバックアップは特定のリージョン間でのみ可能で、東京から大阪へのレプリケートもサポートされています。
今年3月から大阪リージョンはローカルリージョンから格上げになり、誰でも利用可能になりました。 RDS PostgreSQL/Oracle の DR 対応が求められている場合、本機能をご検討ください。
それでは。